スローライフゲーム「なつもん!20世紀の夏休み」のレビュー評価を知りたい方へ。

夏休み・スローライフ・ノスタルジー

「ぼくなつ」の流れを汲んだ精神的続編といわれる作品!
『ぼくのなつやすみ』シリーズの生みの親である 「ミレニアムキッチン」の岩田圭介さん(ディレクター)も本作にも深く関わっています。
そのため、世界観や遊びの「自由度」「ノスタルジー」へのこだわりは共通しています。
発売日:2023年8月24日
ジャンル:田舎体験アドベンチャー
開発元:スパイク・チュンソフト、ミレニアムキッチン
対応機種:Nintendo Switch、PC(Steam)
サーカス団の息子である少年が田舎の夏休みを過ごしながら、探検や交流を楽しむ物語。
オープンワールドの中で、自由度の高い探索やイベントがあり、そこで暮らす住人の生活がリアルに感じられます。
何をするのも自由な夏休みを体験できる「なつもん!」のレビューをまとめました。
子供の夏休みを追体験
プレイヤーは10歳の男の子。
サーカス団の息子として、公演巡業のため夏休みの1か月間だけ田舎町に滞在します。
オープンワールドでどこにでも行けます。海にも山にも。高い塔の上にだって登れちゃいます。
ゲーム内には時間や日付の概念があり、朝から夜まで1日の時間が流れていきます。
NPCである住人たちは、日によって、または時間によって、違う行動をとっています。
それがリアルなキャラクターの表現につながっています。

好きなキャラクターがどこにいるのか毎日チェックしちゃう

住民たちと交流するのも楽しいポイント!
「なつもん!」には、しなければいけないこと(クエスト)が一切ありません。
「冒険メモ」という(ToDoリスト)は存在しますが、やらないと物語が進まないということはありません。
夏休みを過ごすことが目的なのです。
何をしてもいい、何もしなくてもいい。そんな自由なゲームです。
プレイヤーの自由度は高い
「なつもん」はプレイヤーが好きなように夏休みを楽しむことを重視しており、プレイヤーの自由度は高めです。
しかし、ゆるく誘導される作りにはなっています。
例えば、友達が「○○に一緒に行こう」と誘いにきたり、頼みごとをしてきたり。
オープンワールドでフィールド上はどこへでも行けます。
海や川で泳いだり、山や崖を登ったり…。
冒険メモ(クエスト)をクリアすると、主人公のスタミナや身体能力が向上します。
今まで行けなかったところへも行けるようになります。
プレイヤーの行動は自由
- 魚釣り
- 昆虫採集
- 化石探し
- 宝探し
住民との交流イベントも、参加のタイミングは自由です。
- ラジオ体操に参加する
- オリジナル花火を完成させる
- サーカス団の公演をプロデュースする
「ぼくなつ」との違い
「ぼくのなつやすみ」(通称:ぼくなつ)との違いについて、お話しします。
同じ開発元が関わっているので、共通点も多いです。
共通点
テーマ | 田舎で過ごす夏休みの少年体験 |
舞台 | 昭和風ののどかな田舎町 |
プレイスタイル | 1日1日を自由に過ごすスローライフ |
主な遊び | 虫取り、魚釣り、住人との交流、日記 |
季節感 | セミの鳴き声、夕焼け、花火など日本の夏らしさ満載 |
違い
なつもん! | ぼくのなつやすみ | |
発売元 | トイボックス + ミレニアムキッチン | ミレニアムキッチン |
発売年 | 2023年 | 初代は2000年(以後シリーズ展開) |
対応機種 | Nintendo Switch | PS1, PS2, PSP, PS3 など |
移動手段 | バス・電車あり(広いマップ対応) | 徒歩 |
舞台の広さ | 広大なマップ、町全体を探索可 | 比較的コンパクト |
主人公のは背景 | サーカス団の少年 | 都会の子どもが田舎に遊びに来る |
キャラ描写 | アニメ調キャラ・デフォルメ強め | より写実的、ノスタルジック |
ボイス | フルボイス | 一部のみ |
日記の仕様 | イベントごとに絵日記自動記録 | 自分で選択して日記をつける |
視点 | 3Dオープンなカメラ、自由移動 | 固定カメラ+横スクロール |
「ぼくのなつやすみ」 → 昭和の日本的なノスタルジーと「何も起こらない夏休み」を丁寧に描く、静かな体験ゲーム。
「なつもん!」 → 「ぼくなつ」の精神を受け継ぎつつ、現代的なスケールと遊び心を加えた進化形。ややアニメ的なノリと自由探索重視。
主人公の身体能力が高く、高いところにジャンプで登ったり、飛び降りたり。
座敷童や天狗などのファンタジー要素もあります。
豊富なやりこみ要素
やりこみ要素が豊富にあります。
- 魚や昆虫図鑑のコンプリート
- 射的などのミニゲーム
- 化石のコンプリート
昆虫は200種類いて、場所や時間帯によって採れる虫が違うので、フィールドを広く走り回る必要があります。
気になった点
自由度が高いスローライフを堪能できるので、始終楽しいのですが、気になった点もありました。
タイムリミットがある
夏休みの31日間というタイムリミットがあるので、時間が足りないと感じました。
すべてのイベントをこなして、さらに虫や魚などの図鑑のコンプリートを目指すのは、かなり難しいです。
イベント発生のタイミング
日や時間帯によって、住民がいないことがあります。
イベントを発生させたいのに、その住民がいないので、イベントが進められないことがあります。
住民の生活をリアルに表現した結果だと思うのですが、ちょっと困ります。
目的の魚が釣れない
魚釣りで場所によって、釣れる魚は違うのですが、何が釣れるかは完全にランダムです。
クエスト「1日のうちに○○匹釣る」が、なかなか達成できません。
出現率が低く確率なので、とにかく釣るしかないのが、結構苦痛です。
総評:スローライフと冒険の両立
のんびり夏休みを過ごすのが目的のゲームですが、子供ならではの不思議な冒険も体験できます。
自由な探索と豊富な収集要素を楽しめるゲームであり、特に「ぼくのなつやすみ」シリーズを愛するファンはぜひプレイしてみてください。
懐かしい夏の雰囲気を味わいたい方に、おすすめです。