「テイルズオブアライズ」評価レビュー|新生テイルズと言われる革新と原点の融合

サムネ画像「テイルズオブアライズ・レビュー」

テイルズって昔からあるけど、プレイして来なかった方へ。

RPGファンにこそ、ぜひ触れてほしいのが「テイルズオブアライズ」です。

ゲームくん
ゲームくん

ネタバレなしで作品の魅力をレビューします!

「テイルズオブアライズ」はテイルズシリーズ25周年記念タイトルです。

グラフィックやバトルなどを刷新し、「新しい時代のテイルズ」を打ち出しました。

長年のシリーズファンにも、新規層にも好評でした。シリーズとしては異例のペースで売上を伸ばし、2024年2月時点で約300万本に達し、商業的に大きな成功を収めた作品です。

基本情報

発売日:2021年9月

ジャンル:アクションRPG

開発元:バンダイナムコ

対応機種:PS4・PS5・ Xbox One・Xbox Series X|S・PC(Steam)

システムもビジュアルも大きく生まれ変わりつつ、テイルズらしさも失わない。

そんな「再出発」にふさわしい挑戦が、この作品には詰まっています。

王道で重厚なストーリー

「テイルズオブアライズ」の物語は、奴隷の解放を目指す重いテーマで始まります。

舞台となるのは、300年にわたって隣国「レナ」に支配されてきた星「ダナ」。

主人公・アルフェンは、記憶と痛覚を失った謎の青年として、鉄仮面をかぶった状態で登場します。

一方、ヒロインのシオンは、触れた者に激痛を与える「荊(いばら)」の呪いを抱えたレナ人。

 敵対するはずの立場でありながら、利害が一致した二人はともに旅をすることになります。

やがて「支配構造の真実」と「自分たちの過去」に直面していきます。

ゲームくん
ゲームくん

物語の構成は「地方解放型」の王道RPG!

世界観に対する視点が変わっていく展開が衝撃的に描かれています。

「人を支配するとはどういうことか」「憎しみは連鎖するのか」といったテーマが、決して説教くさくなく、キャラクターの選択として描かれている点も好感触でした。

進化したバトルシステム

これまでの作品で特徴的だった「TP(テクニカルポイント)」は廃止され、よりシンプルかつ直感的に楽しめるアクションに生まれ変わりました。

プレイヤーは回避と攻撃のタイミングを見極めながら、仲間と協力して爽快感あふれるコンボを繰り出すことができます。

連携攻撃を中心に据えたリアルタイムバトル!

ゲームくん
ゲームくん

ボタン連打では勝てない

敵の攻撃を見切り、仲間の動きを活かして連携を決める戦闘はテンポが格段に良くなりました。

難易度調整の幅が広く、初心者向けに自動回避やアシスト設定をオンにすることで、より遊びやすくカスタマイズ可能です。

逆にアクションに慣れたプレイヤーには、より高難易度モードも用意されています。

魅力的なキャラクター

「テイルズオブアライズ」のキャラクターたちはみんなかっこいい!

仲間たちは皆、過去や信念に深いバックボーンを持ち、それぞれの視点から「この世界でどう生きるか」を模索しています。

過去シリーズでは、冒険を通じて成長していく過程が描かれたりしましたが、今作はキャラクターたちがみんな精神的に大人です。

未熟な部分や子供っぽい部分があまりなく、キャラクターに対して嫌悪感を抱くことが全くないんです。

どのキャラクターも素敵で、惚れる!

テイルズシリーズといえば、忘れてはならないのが「スキット」システム。

仲間同士の会話イベントは、過去作以上に演出が豊かになり、キャラ同士の関係性がグッと身近に感じられるようになっています。

たとえば、食事中の何気ないやり取りや、戦闘後のちょっとした笑い話など、重いテーマの合間にこうした“日常の温度”をしっかり描いてくれる点は、まさにシリーズの原点回帰と言えるでしょう。


しかも会話の内容が単なるギャグや補足ではなく、キャラの性格や価値観を自然に深掘りしてくれるのも好印象です。

シリーズファンにとっては「こういう掛け合いがやっぱり“テイルズ”なんだよな」と感じられる部分ですし、初めての人でも「このメンバーの旅をもっと見ていたい」と思わせる力があります。

グラフィック|アニメとリアルの融合美

「テイルズオブアライズ」が多くのプレイヤーに「シリーズの進化」を感じさせた最大の理由のひとつが、圧倒的なグラフィック表現と演出面の進化です。

本作では、独自の「アトモスシェーダー」が採用されており、リアルさとアニメ調の中間にある独特のビジュアルが実現されています。

アトモスシェーダーとは

バンダイナムコが独自に開発したレンダリング手法。

キャラや背景はイラストっぽい見た目を保ちつつ、光や霧、距離感、空気の密度のような「リアルっぽさ」も併せ持っています。

 この手法によって、キャラクターや背景が“手描きの絵のような質感”で描かれながらも、陰影や光の演出は非常に立体的で、他のRPGとは一線を画す美しさを放っています。

特に印象的なのは、各地のフィールドや街の情景。


荒廃した鉱山都市や、雪に覆われた街、煌びやかな高層都市など、エリアごとの雰囲気が非常に丁寧に作り込まれており、探索しているだけで世界の広さと多様性を感じられます。

戦闘中の演出も抜群で、コンボや必殺技を放つ際のカットイン、Boost Strikeの演出はアニメ的な“魅せ方”が徹底されており、何度見ても飽きません。


シリーズファンが期待する“派手さ”と“爽快感”は、ここでもしっかりと健在です

クリア時間

ストーリー重視で進めると、40〜50時間 が標準的です。

サブクエスト、フィッシングや寄り道などを含めると 50〜70時間。

気になった点

気になった点も少しありました。

ガードがない

ガードのコマンドがないのは、不思議でしたね。

敵の連続攻撃の初手を回避できないと、連続で攻撃を食らってしまうので、大ダメージになってしまう。

ダウン時以外は、即ガードできるようにしてほしかったです。

回避が間に合わない

攻撃や術のモーションの途中で、回避ができない。

敵が攻撃モーションに入ったら回避したいのですが、操作キャラの攻撃モーションが終わらないと回避行動がとれないのは困りました。

回避ボタンを押したら、攻撃キャンセルして即回避してほしかったです。

術によってはモーションが長いものがあるので、短めのモーションのものをセットするか、ヒット&アウェイで攻撃したら回避で距離をおくようにするのが、個人的な解決策です。

総評|新生テイルズの名にふさわしい一作

「テイルズ オブ アライズ」は、25周年記念作品として「シリーズの再出発」にふさわしい作品でした。

グラフィックやバトルシステムの刷新により、従来のファンだけでなく新規層にも広く受け入れられました。


スキットや仲間との会話劇、テーマ性のあるストーリーといった“テイルズらしさ”はしっかりと受け継がれています。

「変わったのに、変わっていない」と感じさせてくれる絶妙なバランスでした。